計量技術研修講座

日時 平成16年2月20日(金)
場所 薬業年金会館6F601

研修次第
  計量標準技術科  科長 根田 和朗

社会・経済のグローバル化に伴い、その基盤を支える計量・計測の重要性が求められている。
この様な背景から、法定計量に関する規制および規格の統一・調和を図るため
OIML(国際法定計量機関)を軸として、ヨーロッパ、アジア等のおける各地域で活発な
活動が進められている。
新計量法が平成5年に公布されてから検討・見直しがされて来ている。

1.法定計量に関する国際機関および関連地域機関の活動について
 メートル
    SIM
    APMP
    ARSO
 法定計量機関
    OIML(International Organization of Legal Metrology)
    APLMF(Asia-Pacific Legal Metrology Forum)
    WELMEC(Western European Legal Metrology Cooperation)

・OIML
 BIPM(国際度量衡局)およびBIML(国際法定計量事務局)が活動
  その他の標準機関
    ISO(International Orgaination for Standardization):ここ際標準化機構
    IEC(International Electrotechinical Commission):国際電気標準会議
    CEN(European Committee for Standardization):欧州標準化委員会

  ・法定計量に関する国際機構
    法定計量とは、計量結果の信頼性を適切なレベルで確保するため、利害の対立がある場合
    又は、不確実な計量結果が個人・社会にそのものに不利な影響を与える場合に、
    法規制を実施する計量の一分野である。
  ・日本は1961年に加盟(2003年京都で年次会が開催された)
  ・WELMEC(Western European Legal Metrology Cooperation):西ヨーロッパ法定計量機構
    1990年EUとEFTA(ヨーロッパ自由貿易連合)18の加盟により出来た。
    2003年18+10の加盟国で組織が運営されている。
    活動中の作業部会
      WG2:非自動はかり
      WG4:法定計量に関する一般事項
      WG5:計量管理
      WG6:プリパケージ
      WG7:ソフトウェア(ドイツが活発:スパン調整など履歴を残す)
      WG8:計量器指針
      WG10:液体のための計量システム
  ・APLMF(Asia-Pacific Legal Metrology Forum):アジア太平洋法定計量フォーラム)
    1994年オーストラリア政府の提唱により設立
     加盟経済圏20:準経済圏6
    活動内容
     ・WELMECと同じ内容
     ・型式承認試験の相互承認、法定計量制度の調査・比較および人材研修協力の論議・検討
      を行うフォーラム

  ・SADCMEL(SADC Co-Coperation in Legal Metrogy):南アフリカ開発委員会・法定計量協力
 
 ・質量関連のTC/SC
    SC1(P)非自動はかり
    SC2(P) 自動はかり
    SC3(P) 分銅  かなり変わる
    SC4(P) 密度

OIML証明書制度
 設立 1991年
 目的 法定計量機関の活動、OIML勧告に適合する計量器の使用を助長すること
 対象計量器 技術基準・試験手順書・試験報告書
 効果    国の形式承認審査における重複審査の省略
MID(計量器に関する欧州理事会指令)
 欧州統一計量法の位置づけ
 利点:域内であれば、OK
   CEマーキング
     欧州単一市場の発足により、統一的な基準をEC理事会指令として定め、商品の自由な流通を
     可能にする。
     CEマークを付与することにより、自由に交易ができる。
法定計量における相互承認協定(MAA)
 ・OIML加盟国が発行する型式証明書の相互承認
  非自動はかり、燃料用メーター

2.検定・検査規則のJIS化に関する整備状況について
  ・改定の迅速化
  ・計量法省令により、JIS化が遅れている計量器の規格化
  ・規格の複合化
    計量法上の認定・指定関連の基準として活用
    指定製造・JSSS・ISO9000・ISO17025・校正機関等の認定基準
  平成15年度JIS化
   @非自動はかり
   A水道メーター・温水メーター
   Bタクシーメーター
   C電子体温計
   Dガラス体温計
   E非観血式電子血圧計
  
  JIS規格のイメージ
  @パート1
      一般計量器:例えば10mg以下のはかり

  Aパート2
      特定計量器:計量法に準じたもの
  B体温計・血圧計は、本文/付属書形式でJIS引用する。

 JIS規格もポイント
  精度等級の記号
   1級2級3級4級4級(オプション)
  直接販売用はかり
   秤量が100kg以下の2.3.4精度等級のはかり
   販売者と消費者に対して、同時に確認できるもの
     質量・0点・風袋引き機構・料金を表示するものは、単価および料金
     表示の文字の大きさは9.5mm以上

ドイツ計量の現状
OIML R76を基本として、制定されたもの
 @モジュール
   種々のモジュール間の互換性および明確性
 A計量規制
   封印・安全保障に関するきめ細かい取り扱い
 B試験手順
   正確な偏値試験および手順の改定。耐久試験の削除
 C特定項目
   動的・静的計量の区別

質問
Q:自動はかりは、JIS化に載らないか?
A:ヨーロッパでは、まだ