計量技術研修講座
日時 平成20年2月15日(金)
場所 薬業年金会館301
研修次第
正確な質量の計量と天秤の管理
メトラー・トレド 技術顧問 渡部 新一
1.質量の計量
重量=質量×重力加速度
質量200g
・高度による違い
1F 200.00000g
2F(10m高い)199.99937g
・緯度による違い
札幌 200.244g
東京 200.000g
那覇 199.862g
校正
標準と実測される関係を求めることで、調整して、誤差を修正することではない。
調整
計器を調整して誤差を修正すること。
トレーサビリティ 【tracability】追跡可能性。
不確かさが全て表記された、切れ目のない比較の連鎖を通じて、
通常は国家標準又は国際標準である決められた標準に関連づけられ得る測定結果又は標準の性質
VIM(国際計量基本用語集):1993(JIS Z 8103「計測用語」)に定義されている。
校正の道筋が計量結果から国家計量標準まで切れ目なくつながっていることを明確にする体系です。
不確かさ
従来の精度や誤差にほぼ匹敵する内容で、具体的にはかたよりとばらつきの両方が総合的に評価されています。
VIM(国際計量基本用語集:1993、JIS Z 8103:2000にも組み込まれています)次のようになっています。
合理的に測定量に結びつけられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ。これは測定結果に付記される。
最小測定値
それ以下では、計量結果に、過大な相対誤差を生じる可能性が有る加重の値
分銅
<分銅の等級と最大許容誤差>
電子天秤の原理
音叉式
●電磁式 |
電磁力平衡式ともいいます。機械式天びんではサオの片側に試料、もう片側におもり(分銅)をのせ、 ちょうど釣り合った(平衡)ときの分銅の値が試料の質量となります。 電磁式は分銅をのせる代わりに、電気の力(電磁力)を加えて、サオを釣り合わせるのです。 のせた試料の重さにより、釣り合わせるのに必要な電気の量が変わります。 ちょうど釣り合ったときの電流の大きさを検出しその値から、質量を求めます。 |
●ロードセル式(電気抵抗線式) |
アルミでできた図のような形の物(起歪体)の片側を固定しておき、もう片側に試料をのせます。 すると試料の重みにより、起歪体がたわみます。 たわんだ量により、起歪体に貼り付けたストレンゲージが伸び縮みし、出力される電気の量(正確には抵抗値)が変わります。そしてその電気の量から質量を求めます。 |
●電磁式/ロードセル式比較表 |
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はかってなんぼの世界から
日本分析化学会 近畿支部長 紀本 岳志
アリストテレス
すべての人間は、生まれつき知ることを欲する。
アナトール・フランス
「陛下、科学は誤りの無いものですが、学者がいつも間違います」
フランシス・ベイコン (自然科学の方法の発明者)
自然の下僕である人間は、その観測しえたもの以上に理解することは出来ない
環境をはかる?