計量技術講習会(実務コース)

日時 平成21年11月26日(木)
場所 薬業年金会館4F401
 

計量士と流通事業者の為の商品量目検査業務の実務
大阪計量検定所 高橋 夏樹

一.計量法と商品量目制度 
   5条 消費者の取引における確保
  10条 正確に計量
      計量法2条に定める89種類の物象の状態
   第11条−第15条 商品の販売に係る計量
   13条計量の適正化
 T.特定商品の概要
   12条 特定商品
    「特定商品の計量販売にかかる政令」で委任、正しく計量して販売しなければならない商品を言う。
     @全国的に流通されているもの
     A生活必需品
     B販売者・消費者相互の計量販売意識が高いもの
     C現実に計量販売が普及しているもの
     D新たに政令指定商品とする場合、事業者の対応が可能である
     E他法令の類似制度との調和整合性がある。
    13条 28の商品分類 
     社の名称または、氏名、住所を表記
     菓子 計る売りした時量目の設定が必要
     密封しての販売は内容量の表示義務はない。
    
    新法では、交差カーブで50gからの交差を押さえる
    食塩・みそ〜食用植物液 外国では、容積日本は、重量
    交差設定が有るものは計って表示。無いものは計れない
    14条 輸入業者

  U.商品量目制度の活用にあたって
    適正な計量の実施の確保(10条 正確に計量)の中で量目制度は、
    効果的・円滑に運用されるため ガイドラインが設けられている。
    上限。上限+ガイドライン
    15条 
    商品範囲
     日本標準商品分類(インターネットで無料検索できる)
     @レトルトパウチ食品のハンバーグステーキ
      第21号調理食品に該当13号の食肉でない     
      商品名で分類
      それにより交差が異なる場合がある
     イ 混合食品
       @特定商品
        交差の緩い方を使う
       A特定商品と非特定商品
         特定商品も対象外
     A加工品の解釈
      ・加熱した状態
      ・味付けした状態
      ・原形を変えた状態
      ・乾燥した状態 ただし豆類は省く
     B冷凍食品 <温度で決めている>

      ー15℃〜18℃以下で保存している
          食品衛生法 とJASの違い
      冷凍品
      冷蔵   低温(零度前後)で管理されている状態のもの
      チルド食品 調理・加工した商品をほぼー1℃〜5のチルド温度で保存・販売される商品
     C調理食品
      冷凍食品、チルド食品、レトルトパウチ食品を含め、調理加工した商品

     Dレトルトパウチ食品
      プラスッチクや金属フィルムで遮光性があるもの
   2.密封の解釈
    13条「容器もしくは包装又はこれらに付した封紙を破棄しなければ、
          当該物象の状態の増加または減少することが出来ないようにする」
    ・缶詰
    ・瓶詰め
    ・すず箔、合成樹脂、紙(クラフト紙、板紙)製等の容器詰めであっても、ヒートシール、のり付け、
     ミシン止め、または、アルミニウム製ワイヤーで巻き締めたもの
    ・木詰めまたは、タル詰め
    ・ラップ包装
      発砲スチロールの載せ台をストレッチフィルム等で覆い、フィイルム自体または皿が融着して
      いるものまたは特別テープで留めたもの

   3.12条に規定する特定物象量の計量方法
   @一環生産される個装紙包装商品の計量方法
     トレイを見込みで差し引く
   A野菜、果実の漬け物
      表示量の75% ただし、300g以下は、70%
      「農産物漬け物の計量方法」
   B冷凍食品
     氷の量は除いて、日本冷凍食品検査協会が定めた検査実施要項
      サンプルで抜き取りブリーズして、氷量を推定する。33P参照
   C離水のある商品
    固形量で持って内容量とする。
    食肉等から分離して出てきたドリップ(水分)は、内容物に含む。
    <JASの加工食品品質管理基準で決まっている>
   以外に、公正競争規約もあるが、最終的には、計量法に従う。

  4.特定物象量の表記について
   13条に規程により、
   @個装紙込み
   表記義務3g未満は、はずれる
    <個装紙込み>は、?
   A極少量商品
      ○○g×○袋 不可
   B総量及び固形量の両方
   C特定物象量の表記を行う際、「標準」「約」「ほぼ」等曖昧な表現を併記することは不可
   Dどんぶりもの等の商品に付属する「たれ」等については、添え物とし、内容量表記は必要ない
     が、たれを商品として販売する時は、表記が必要

 V.商品量目検査に使用する計量器
    目量の1/5
     5〜100g      0.1g
   100〜500g      0.2g
   500〜10kg      1g
   10〜25kg      10g

 W。商品量目の検査手順
   1.計量器の点検・調整
   2.包装材料の計量と風袋引き量の設定
   3.自然減量の処置
     水分蒸発により減量する商品は、減量分を風袋量に加え設定する

 X.商品量目の不足原因
   風袋引きに由来する。
    下記のものは、商品の内容量には、含まない
     @わさび・たれ等の添え物
     A包装するラップ
     B水分吸収用の「床」飾りの花、刺身のつま。商品名等ラベル

 Y.商品量目検査業務の実施事例
   @商品量目検査業務の実施計画
     自店または、顧客との協議により、年間の実施回数、実施時期の確認・計画
   A手続き及び検査に必要な検査機器
   B量目検査実施行程
    ・検査用はかり
    ・検査対象品のサンプリング
    ・検査及び検査終了後の商品の扱い
   C量目検査方法
    ・はかりの性能・器差の確認
    ・データーとりこみ
    ・商品の計量及びデーター記録
     部門・商品名・単価・内容量及び風袋量
     総量の計量
     データー処理
    ・検査終了後の商品の返却
   D報告書
   E終了後の処置

二。商品量目制度における国際的動向
  1.包装商品に関する国際勧告(OIML)の概要
     OIML79(包装商品ラベルの要件)
      勧告
     OIML R87「包装商品の内容量」ドイツ
      平均値仕様 量目交差
      外国では、合格すればマークがもらえるが、あくまでも甘い基準?
      普段の管理は、少し、きつくせねばならないのだが。
  2.国際量目マーク制度
    日本は、R79、80が完全実施されないとマークが付けられない。
    日本は、追従しない。
  3.OIML R87「包装商品の内容量」の国内における活用状況
             計量法      87   BU
     5〜25g  4% 6%     9%   9%
    25〜50g
 
藤田益司 (社)埼玉計量協会

 パソコンを使って、はかりから直接データーを転送し、データーの効率化をはかった。
最後に、内容を理解しているか?の試験が行われた。