近畿計量大会

日時 平成30年11月16日(金)
場所 奈良ホテル 大和の間
大会次第
Ⅰ.開会の挨拶
  奈良県計量連合会協会 会長 堀本 文夫


Ⅱ.来賓の挨拶
  経済産業省産業技術環境局  室長 阿部 一貴
   計量制度は、120年以上続いており、国民から力強い信頼のもとに、社会の基盤とて重要な役割を
   果たして来ているのも、計量に関わってこられた皆様方の絶え間ない努力のたまものである。
   11月は、計量強調月間で、はかる事の大切さと将来の計量を担う人材の確保が重要である。
 
  奈良県県知事  荒井 正吾
    計量は、時間・空間を計る基礎となる。
    また、病気を治療する薬を統計的に解析する基となる。
    医療の世界で、この病気になると、<1%死にますよ>か<99%助かりますよ>
    ・・・言い方で、患者さんの受け取る印象が異なる。はかりから表現の仕方まで最近の学問は進んでいる。
    計量の基準は、国の進めるものだが、使う分野の活用は、どんどん広がってきているのではないか。

  奈良市長   仲川 げん
    肉のはかり売り
    価値観の多様観 共通認識が少なくなってきた。
    はかる元がしっかりしていなければならない。
        
Ⅲ. 近畿計量協議会会長感謝状贈呈
    山原丈之 黒田慶彦
       
Ⅳ.記念講演Ⅰ
   「最近の計量行政について」 
                    経済産業省産業技術環境局  室長 阿部 一貴

Ⅴ.記念講演Ⅱ
   「奈良ホテル109年の歩み」
                    奈良ホテル 副総支配人    辻 利幸
   
Ⅵ.記念講演Ⅲ 
    「これからの生き方」
                    薬師寺長老             山田 法胤



 最近の計量行政について」 
                    経済産業省産業技術環境局  室長 阿部 一貴

   1ー1 計量法の目的と制度体系


   1-2 計量法の沿革(計量法全面改正<平成5年>まで)
     ①明治24年:度量衡法制定
      ・度量衡器の制作、修理及び販売の免許制や全品検査
      ・工業用計測器を含めあらゆる計量器を規制対象 等
     ②昭和26年:計量法制定
       制作、修理及び販売の免許制 → 制作、修理を許可制に、販売を登録制へ
     ③昭和41年:計量法大改正
      ・型式承認制の導入(検定の合理化)
      ・規制の対象となる計量器(特定計量器)の範囲を縮小
       (取引又は証明上の計量に一般に広く用いられている27種類の計量器に限定)
      ・製造及び修理事業を許可制から登録制へ
     ④平成5年:新計量法の施行
      ・国際単位(SI単位)系への統⼀(圧⼒kgf/mm2等を最⼤7年間、3段階の猶予期間を設け、完全移行へ)
      ・特定計量器の見直し(27器種→18器種)
      ・指定製造事業者制度の創設(全数公的検定→自社検定の許容)
      ・計量標準供給制度の整備(JCSS制度の創設) 等
    1-3 計量法全⾯改正(平成5年)以降の主な動向
     ⑤平成12年4月:一部改正計量法の施行(地方分権一括法による自治事務化)
      ・特定計量器の検定・検査の実施
      ・機関の指定・登録等の監督権限(指定定期検査機関、適正計量管理事業所、計量証明事業等)
      ・取締まり業務(勧告、報告徴収、立ち入り検査等)
      ・自治体職員の計量教習所受講義務付けの廃止、手数料徴収の条例化等
     ⑥平成14年4月:一部改正計量法の施行(特定計量証明事業の創設)
      ・ダイオキシン等極微⼩物質に関する計量証明事業の整備
     ⑦平成22年6月:一部改正政令の施行
      ・ベックマン温度計等使⽤実態のない3器種を特定計量器から削除
      ・型式承認⼿数料を実態に合わせ改正
     ⑧平成25年10月:一部改正政令の施⾏(暫定延⻑⾮法定計量単位の恒久化)
      ・生体内の圧力に関するmmHg等の6単位を恒久化(平成5年法改正の完了)
     ⑨平成29年10月:一部改正省令公布
      ⾮特定計量器に自動はかりを追加(平成38年4月までの経過処置あり)
      ・指定検査機関の指定区分の追加(器差検定を中心に行う区分の省令上の処置)

    2.自動はかりについて(新たに検定を実施)
     2-1







   ②従来より検定を行っている質量計において自動はかりも新たに検定を実施









  2-2 自動はかりの技術基準
   ①技術基準(検定方法等)は、JISで規定
    ・スケジュール
     自動捕捉式はかり :平成30年8月20日  JIS改正公示
     その他の3器種   :平成31年以降     JIS改正公示 
    ・自動捕捉式はかりJISの構成
     計量法に基づく技術基準として引用するため、これまでのJIS(製品JIS)に、
     要求事項を付属書として追加
   ②器差検定の方法
 

  ③その他のよくある質問と回答
    Q1.全ての自動はかりが検定の対象となるのか?
    A1. 自動はかりの使用者において、検定の対象となる4つの自動はかり
       (ホッパースケール・充塡用自動はかり・自動捕捉式はかり・コンベヤスケール)に該当し、
       かつ当該自動はかりを取引又は証明に使用する場合は、検定の対象となる。

    Q2. なぜ自動はかりは定期検査ではなく検定を受検することが必要なのか?
    A2 .定期的に行うものを検定とするか定期検査とするかについては、自動はかりの検定・検査が
       全国的に継続的かつ遅滞なく行われる体制を担保する制度とするために、実施者の機関として
       一定の要件を設けることとすることにより、その実施者を指定検定機関(又は産業技術総合研究所)
       とし、定期的に検定を行うこととしている。

    Q3 .所有している自動はかりが、検定の規制対象となる自動はかり4器種に該当するかは
       どう判別するのか?
    A3 原則、国際規格であるOIMLを基礎とした各種JISの定義に基づくこととなる。
       今後、製造事業者及び使用者等の実態も踏まえ、必要に応じて個別に判断をすることも予定。

    Q4. 指定検定機関の検定手数料はどうなるのか。高額となり負担増となるのでは。
    A4.  指定検定機関の検定手数料は、民間団体である指定検定機関が市場競争の中で個別に決定
       することとなる(認可制)。なお、産総研における検定手数料は、今後手数料令で規定する
       (平成30年度を予定)こととしているため、これが一定の参考になりうる。

    Q5. 自動はかりは、大型設備でラインに備え付けのものがほとんどであるため、
        器差不良による不合格の場合、その場で器差調整して再検査を受けて合格しないと
        ライン全体が停止してしまう。
    A5.  既に使用されている自動はかりの構造検定の一部省略や従来のメンテナンスと連携した実施も
        含め、検定の受検に際して今後行う具体的な仕組みの整備とあわせて、検定での使用者への
        新たな負担を可能な限り軽減する取組を整備していく予定。

    Q6 .「すでに使用されている自動はかり」・「新たに使用する自動はかり」の「すでに」・「新たに」とは、
       どの日を基準としたものなのか?
    A6  .対象の自動はかりが、検定証印が付されていない状態で、下記の日付以前から取引又は証明に
        おける法定計量単位による計量に使用している場合は「すでに使用されている」自動はかりとなり、
        それ以外の場合は「新たに使用する」自動はかりとなる。

    Q7. 適正計量管理事業所の指定を廃止した場合の自動はかりの有効期間の取扱いについて、
       検定から2年を経過していた場合には、適管の廃止届の提出と同時に自動はかりの検定の
       有効期間が超過しているとの扱いとなるのか?
    A7. 適正計量管理事業所の廃止と同時に自動はかりの有効期間は2年となり、前回検定から2年を
       経過した場合には有効期間超過となる。当該自動はかりについては、取引又は証明に使用した場合、
       法第16条の違反。

    Q8. 適正計量管理事業所において、自動はかりを管理対象とした場合の自主検査
       (施行規則第75条第2項第2号)の開始時期はいつからが適切か?
    A8. 自動はかりを所有する適正計量管理事業所においては、施行規則で定める日
       (自動捕捉式はかりの場合は平成37年(2025年)3月31日。
       自動捕捉式はかり以外の自動はかりの場合は平成38年(2026年)3月31日。)までに、
       自動はかりの特定計量器の追加に伴う適正計量管理事業所の変更届を提出する必要がある。
       その変更届を提出した日以降、自主検査が必要となる。

  2-3  自動はかりの製造業者の考え方
     ①製造の基本的考え方
      「特定計量器の製造」とは、「製品としての特定計量器を完成させる行為」であり、自動はかりの
      製造事業者とは、「自動はかり」の定義に合致する計量器を製造する事業者である。
      例:自動重量選別機の場合
       当該選別機が計量器として有する機能(ある物体の有する物象の状態の量を確定するために
       必要な機能(=検出部、表示部、接続部など)に加え、当該機能を用いて適正な計量値を得るために
       必要となる機構を一の機械、器具又は装置として構成するものとして製品を完成させる行為を指す。
      【自動はかりとは】
        物体に作用する重力を利用して質量を計量する計量器(はかり)であって、
      ・計量器の表示が質量であり、
      ・計量結果を得るのに、人間の関与(*)を必要としないもの。
        (*)ゼロ点や計量結果の確認など、計量結果への積極的な関与を指す。
        計量値を意識しない単なる載せ降ろしは含まれない。

     ②製造事業者に該当する場合の例
      ・自社で製造したロードセルなど、はかりのセンサー部分等を組み立てて、製品(自動はかり)
        を完成させる場合
      ・ロードセルなど、はかりのセンサー部分を外部から購入してきて、製品(自動はかり)を
        製造しているケース。
        プラントメーカー等が、コンベヤスケールの計量ユニットをはかりメーカーから購入して、
        完成品のコンベヤスケールに仕上げるケースもこれに含まれる。
      ・外部から購入してきたはかり(はかりの種類を問わない。検定品の非自動はかりを含む)に、
        表示機構、計量性能に影響を与える部分などに改造を行い、
        新たな製品(自動はかり)としている事業者。





   ③製造事業者に該当しない場合の例
    ・外部から購入してきた自動はかりに、計量性能に影響を及ぼすような改造を一切行わず、
     計量性能に影響を及ぼすことの無い付加機能を追加している事業者。
     例:自動捕捉式はかりを購入し、計量性能に影響を与えない部分にX線検査装置や金属探知機などの
       付加機能を付与するケース。※ただし、自動はかり製造事業者の銘板を除去し、新たに自社の銘板を
       付与する場合は、製造事業者とみなされることになるので留意すること。
    ・自動はかりとして完成させることがなく、中間製品や部品等を製造するのみである事業者
    ・製造事業者等から単に設置場所において自動はかりの設置や組み立てを行うことを請け負った
     (委託含む)事業者



   ④自動はかりの製造事業の届け出区分




3.(参考)取引・証明について
  ①「取引」/「証明」とは
   検定対象4器種に該当する自動はかりを取引又は証明 に使用する場合は検定を受検する必要があります。
  計量法第2条第2項
   取引:有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為
   証明:公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明すること
   (参考)計量法関係法令の解釈運用等について(平成29年3月)
   「取引」「証明」等の定義の解釈について
    ・「取引」とは
     有償、無償を問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為。
    ・「証明」とは
     公的機関自らが行い、若しくは公的機関に対して、公に又は業務上(反復継続的に)
     他人(証明を行う者以外の者)に対して計量されるものが一定の物象の状態の量を有するという
     事実(特定の数値までを含むことを要するものではなく、ある一定の水準に達したか、達していないか
     という事実も含まれる。)について真実であるということを表明すること。
     参考値を示すなど、単なる事実の表明は含まれない。

  ②取引又は証明のための計量に該当/非該当事例(一般例)
   取引
    該当する場合
     ・食肉販売に際しての質量の計量
     ・ガソリン販売に際しての体積の計量
     ・タクシーの料金算出に際しての距離の計量
     ・農家が庭先で農産物を販売する際の質量の計量
     ・服地販売に際しての長さの計量
     ・倉庫に物品を保管する際の保管料算定のための長さ及び体積の計量
     ・宅配便等小包料金算定の際の質量及び長さの計量
     ・委託加工賃を物品の質量によって決定する際の質量の計量
     ・店舗の賃貸料を決定する際の面積の計量
    該当しない場合
     ・製造事業者が生産工程において内部的に行う各種の計量(材料の調合、長さのチェック等)
     ・家庭内での計量
     (日曜大工で棚を作る際に板の長さを計量、お菓子づくりの際の小麦粉の質量の計量等)
     ・友人間等での単発の物品のやりとりの際に行う計量(業務上とは認めがたいもの)
     ・たまたま隣人に米を分ける際に行う計量
  証明
    該当する場合
     ・地方自治体が一般に公表するために行う濃度等の計量
     ・国税庁が行う酒税賦課のためのアルコール濃度の計量
     ・土地の登記に際して行う面積の計量
     ・工場等が行政機関に報告するために行う排水量の計量
     ・病院や学校において行われる体重測定の結果が、健康診断票に示され通知、
      報告等される場合の体重の計量
    該当しない場合
     ・客に体重を計ってもらうために店頭に設置されたはかりを使用しての体重の計量
       (単なる自己の健康管理用)
     ・研究所等が内部的に行う各種の計量
   
  ③自動はかりの取引又は証明の該当しない事例
     該当しない場合
      ・商品の製造工程管理に係る計量その他内部的な行為であって、業務上その結果が他人に
       表明されない計量
       例えば、原材料の配合量を商品等に表示しない場合であって、取引先との契約の要件にも
       該当しない場合における、商品等の製造工程上の計量。
      ・社内におけるデータ蓄積を目的として行われる計量
       例えば、社内の生産管理等に使用するために、質量結果をデータとして蓄積し、
       個々のデータを対外的に公表しない場合の計量。
      ・商品等の取引に用いる際に行われる計量の前段階に目安として行う計量
       例えば、工場内で包装商品を製造する過程で、包装商品の最終的な計量を行う前段階で、
       おおよその目安としての計量を行っている場合。
    上記のような場合に使われる自動はかりは、検定の対象ではありません。

  ④取引・証明に関するQ&A
   Q1:自動はかりで計量の後、非自動はかりでサンプル検査をしている場合、
      当該自動はかりによる計量は取引又は証明のための計量に該当するのか?
   A1: 非自動はかりでの確認がサンプル検査であり、個々の商品等の一部しか確認しない場合、
      自動はかりでの計量は、取引又は証明のための計量に該当する。

   Q2:商品等の売手と買手の双方がともに計量を行っている場合、取引又は証明のための計量に
      該当するのは、売手と買手のどちらによる計量が該当するのか?
   A2:個々の取引形態や契約によるが、一般的には、売手と買手のうち計量結果における最終的な責任を
      負っている方が、取引又は証明のための計量を行った者となる。
 
   Q3:親会社と子会社間の取引や同一法人内の支店同士の取引に使用するための計量は、
      取引又は証明のための計量に該当するのか?
   A3:親会社と子会社間の取引は、一般的には、内部管理にあたると考えられないため、
      取引又は証明に該当する。
      同一法人内の取引については、一般的には、内部管理にあたると考えられるため、
      取引又は証明に該当しない。

   Q4:自動はかりで計量後、非自動はかりで1個ずつ全数確認している場合、当該自動はかりによる計量は
      取引又は証明のための計量に該当するのか?
   A4:全ての商品について、非自動はかりで計量を行い、その計量結果を取引又は証明に使用している場合
      には、一般的には、非自動はかりによる計量が取引又は証明に該当する。

   Q5:自動はかりによる計量は、商品の過重、軽量品の選別にのみ使用している場合、
      当該自動はかりによる計量は取引又は証明のための計量に該当するのか?
   A5:当該自動はかりの前後の工程で使用されている自動はかりが、取引又は証明に使用されて
      いるのであれば、過重、軽量品の選別にのみ使用している当該自動はかりは、
      一般的には、取引又は証明のための計量に該当しない。

   Q6:複数の段階で計量を行っている場合、どの段階での計量が取引又は証明のための計量に
      該当するのか?
   A6:どの段階での計量が取引又は証明に該当するかは、個々の商品や契約の要件等により異なるものと
      考えます。次ページに基本的な考え方を示しますので、判断の参考にして下さい。

     例:スナック菓子(1袋(内容量100g))を同一工場内で製造、販売する場合における計量を想定した場合



  上記の工程で商品を製造・販売している場合、一般的には③の段階における自動捕捉式はかりにおける
  計量結果が取引又は証明に使用されていると考えられるが、
  ①~④における計量が取引又は証明に該当するかどうかの一般的な考え方は、下記のとおり。
  ①一般的には、該当しない。
  ※工程管理に係る計量その他内部的な行為であって業務上その結果が他人に表明されない計量は
    含まれない。
  ②該当する場合=②の段階で行った計量結果を取引又は証明に使用している場合
    該当しない場合=③以降の段階で行った計量結果を取引又は証明に使用している場合
  ③該当する場合=③の段階で行った計量結果を取引又は証明に使用している場合
    該当しない場合=②又は④の段階で行った計量結果を取引又は証明に使用している場合
   ※②、③の段階において、同一の商品を全数計量し、その計量結果を取引又は証明に使用している場合は、
     ②又は③のいずれかの自動はかりについて検定を受検し、合格すれば良い。
  ④該当する場合=④の段階で行った計量結果を取引又は証明に使用している場合
    該当しない場合=②または③の段階で行った計量結果を取引又は証明に使用している場合や
    ④の計量結果を取引又は証明に使用していない場合
  
  Q7:最終商品を個数や枚数で取引をしているが、製造工程の内部管理用の確認用途(原材料の計量、
     製品の過不足確認、社内規格との適合確認など)として、質量を計っている場合、
     当該質量を計量する自動はかりは、取引又は証明のための計量に該当するのか?
  A7:一般的には取引又は証明に使用されていないと考えられるが、当該自動はかりによる計量の結果が
     契約の要件になっている場合は、該当する場合がある。

  4.指定検定機関について
   4-1器差検定を中心に行う区分を追加

      




  4-2 指定検定機関の中立性・独立性を担保する基準を明確化
     現行の指定基準では、中立性・独立性を担保する基準として、「指定検定機関と検定を受ける者との
     取引関係その他の利害関係の影響を受けないこと」としているが、
     今回の改正により、その基準を詳細に規定

    ①検定を受ける者が、指定検定機関の親法人でないこと
    ②指定検定機関の役員に占める、
      検定を受ける者の役員・職員の割合が2分の1を超えないこと
    ③指定検定機関の代表が、検定を受ける者の役員・職員でないこと
    ④検定実施部門が部門として独立していること
    ⑤検定実施部門の役員・職員が、検定に影響を与える
      他部門の役員・職員を兼ねないこと

    制度の信頼性を担保した上で指定検定機関への民間参入を促進

 
 .「奈良ホテル109年の歩み」
                    奈良ホテル 副総支配人    辻 利幸

  奈良ホテルは、明治42(1909)年、「関西の迎賓館」として開業し、
  平成21(2009)年に創業百周年を迎えたクラシックホテルです。




 1.創設期~大日本ホテル株式会社時代(明治39年~大正2年)
   ・日露戦争の勝利
   ・西村仁兵衛(都ホテル創始者)
   ・日本鉄道院
   ・辰野金吾(建築家:東京駅,中之島公会堂,浜寺公園駅等々を設計)の設計
   ・大日本ホテル株式会社時代

 2.鉄道院・鉄道省直営時代(大正2年~昭和20年)
   ・第一次世界大戦、満州事変、第二次世界大戦
   ・全館セントラルヒーティング化
   ・アインシュタイン博士(大正11年12月)


   ・満州国 溥儀皇帝(昭和10年4月)
     昭和天皇自らが東京駅のホームまで溥儀を迎えに行くという、日本の歴史上無い異例の歓待を行なった。
     その後、奈良(奈良ホテル滞在)・京都・広島と訪問
     


 3.接収・日本交通公社時代(昭和20年~昭和31年)
   進駐軍が来ると云うので、110枚の美術品をリヤカーに乗せて、京終の倉庫に運んだ。
   現代人は、このリヤカーがわからないらしい。
   また、アインシュタイン博士が弾かれたメイド・インUSAのピアノも大鉄局の倉庫に隠したが
   手続きをしてなく、持ち主証明が出来ず、48年目にして、やっと元の奈良ホテルに戻ってきた。
    ・終戦 米軍に接収(昭和20年~昭和27年) 
    ・ラウレル大統領亡命(フィリピン) 
    ・幻のマリリンモンロー(昭和29年2月) 


  4.中日ドラゴンズ
   

  5.日本のクラシックホテル
    ・日光・金谷ホテル    1873年(明治6年) 創業    144年
    ・箱根・富士屋ホテル  1878年(明治11年)創業    139年
    ・軽井沢・万平ホテル  1873年(明治27年)創業    123年
    ・奈良ホテル       1873年(明治42年)創業    108年


  「これからの生き方」
                    薬師寺長老             山田 法胤

  計量の皆さんなので、「はかる」ことについて、考えてみたいと思います。
  辞書で調べてみると、「はかる」と云う文字は、45以上ある。
  皆さんは、精密に「はかる」とは、天秤に掛けて「はかる」と思われますが、
  仏教で「はかる」とは、心で物をどう捉えるか?
  日本の物差しは、古くからあり、正倉院の中には、象牙に色を付けて一尺と云う物を基本にしていた。
  また、寸とは、肘で腕の長さを測っていた。5本の指を表す。
  忖は、心に変えたもの
  「計」と云うほどいい加減な字は無い。
  計 ・・・はかる、はからう、しめ、総数、心の中で計算する、計略、はかりごと、相談する、くらべ調べる、
       おもんばかる、 加減する、適当に処理する
  図る・・・思いがけず
  秤・・・・物の重さをはかる。
  量・・・・注文の量だけはかる。はかって売ること。
  測る・・深さ、高さ、距離
  謀・・・・手段、計略、策略、だまし
  諮・・・・相談する、他の意見を聞く
  肘、忖・・他人の心をおしはかる、推察
  衡・・・・目方をはかる
 
 


 ①人間の心とは  →  遍計所執(へんげしょしゅうしょう:パリナーマ)-
                         ー能変(心というものはとにかく変わるものである:こころ?)
  「あじさいや きのうの誠 今日の嘘」
   紫陽花の色は、赤く咲いたり、紫に咲いたり、青に咲いたりと、見分けにくい。
   人の心も、赤くなったり、青になったりと、ころころと心の計算が変わる。
  
 ②知恵で世の中を渡る(度)→ 般若心経(「Prajñā(般若)-pāramitā(波羅蜜多)-hṛdaya(心)」)
   
 ③歴史から学ぶ日本の心
  会津八一(あいづやいち)
   奈良に惚れ込み「自註 鹿鳴集」を出す。
   「行くとして華厳・三論・法相の雨のいとまを招提に入る」
    華厳宗の寺は、東大寺や新薬師寺
     仏の立場に自分を置いて考え、行動することを求めるのが華厳思想、すべて平等
     近日、奈良にある有名お寺のお坊さんが、「不謹慎な行動をした」ことが話題になっていますが、
     奈良のお坊さん全てがその様な行動をするか? 
     繋がって相互に関係し合い、無限に重なりあっているという考え方を華厳と言います。
    三論宗の寺は、法隆寺(聖徳宗)、元興寺、大安寺(三論の祖師・道慈律師の祀っている)
    法相宗の寺は、薬師寺、興福寺
     砂漠を越えてインドに行かれ、17年間修行された玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)法師と
     弟子の基が開かれた。
     法ーー物質、形の姿 相ーー性質を明らかにする。
      (全ての物のありのままの姿を明らかにする)
     寺とは、サンスクリット語で「 vihāra:ビハーラ」の事で、精舎(しょうじゃ:Vihāra)とも言い、
     精進する者たちの舎宅を意味し、老人ホームもあれば体育館、体の悪い人を面倒を見る病院もあり、
     インドには、祇園精舎(ぎおんしょうじゃ Jetavana-vihāra:インドのコーサラ国)がある。
     奈良の有名なお寺は、勉強する大学や病院、老人ホームで有ったりするわけで、檀家さんも無く、お葬式はしない。

 ④ 猿沢池の階段を52段上ると、興福寺にたどり着く。
    そこから手を叩くと
    「手を打てば、はいと答える 鳥逃げる 鯉は集まる 猿沢の池」
 
   手を打ったなら、旅館の女中さんは、人はお客が呼んでいると思い「ハイハイ」(心の中でうるさいなぁ~)と
   返事をする。
   鳥は鉄砲で撃たれたと思って逃げていき、池の鯉は餌がもらえると思って集まってくる。
   手の音が違うのではなくて、聞いている心の受け取り方が違ってくる。
   同じ事象が起こっても1人ひとり染み込んで、人生の物差しにしている。(思い込みの世界)
    いつも、うるさいな~という人は、いつもうるさいなぁ~と思うし、
    いつも、ビクビクしている人は、いつも、ビクビクして逃げていく。
   皆様方の人生の体験が積み重なって、今のとらえ方がある。
   生まれてから、お父さん・お母さん・地域(村)の教え、学校の教えを聞いてが染み込んで、
   現在の皆さんが有るわけで、「人生の物差し」をどこに持って行くか? 

 ⑤ 「差し」で特許」をとられた沼田 恵範(ぬまた えはん:「ミツトヨ」創業者)さんが居られますが、
   仏教を熱心に信仰された方で、マイクロメーターの製造で得た利益で、世界中のホテルに
   「仏教聖典」を頒布された。 

 ⑥「人間は、発展するために生まれて来たのでない。幸せになるために生まれ来たのだ」
     また、(南米ウルグアイ元大統領) ホセムヒカ氏は、
   「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ
      とも言っておられます。

   我々日本人は、今豊かになったが、幸せか?
   未だ「足らない」 まだ「足らない」 貧乏人が身にしみた人種になっているのか?
   体の中に染み込んでくる事を熏習(くんじゅう)と言う。
   意識が無い状態で、自然と染み込んで入ってくる 
   家柄 人柄 国柄 評価されている日本は、良い国だよ・・・
   言ってもらえる国になってほしい。

 ⑦ 奈良は、遣隋使・遣唐使を通じて、国際的世界に通じていた国家でその名残があるが
   京都は、日本独自の文化 花鳥風月の文化である。

 ⑧大伴家持 海行かば 水漬(みづ)く屍(かばね) 山行かば 草生(む)す屍
          大王の 辺(へ)にこそ死なめ かへり見は せじ


 ⑨喜光寺(行基さんのお寺)の住職
   「いろは歌」 お釈迦さんの悟りの歌 (写経¥2、000)

  「懇親会」


  
   


                        計量のHP