平成22年9月度例会

日時 平成22年9月1日(水)
場所 薬業年金会館 4F

T。会務報告 松浦会長 資料1

U。食品包装容器の技術的展開と環境問題
             全国プラスチック食品容器工業組合 事務局長 金澤 信夫
  
  講演に先だって全国プラスチック食品容器工業組合の概要が副会長の西川 誠治氏から説明された。
  プラトレ*ネット(http://www.japfca.jp/index.html)参照

 1.石油製品の流れ
  原油から蒸留精製して、ナフサ・灯油・軽油・残査油に分けられる。
  そのナフサを分解精製して、エチレン・プロピレン・B−B留分・分解油・オフガスになる。
 2.包装材料
   PP(ポリプロピレン)       耐熱温度110℃耐熱性・耐油性に優れている
   PVC(ポリ塩化ビフェニール)
   PE(ポリエチレン)
   PS(ポリスチレン)
   PET(ポリエチエンテレフタレート)

 3.熱成形用シートの分類
   発泡シート 
     物理的発泡                        
      @PS(PSP) ポリスチレン・ペーパー
        ポリスチレンを発泡させた素材で保湿性・断熱性がよく、軽量で丈夫。
        電子レンジや高温の使用は避ける
          ・高発泡シート
          ・中/低発泡シート 
      APP発泡シート 
        ポリプロピレン樹脂を押しだした無架橋発泡シートで成形されたもの
        耐熱性・耐油性に優れさらに、断熱性・保温性もある。
        電子レンジや高温で使えるが、オーブンによる調理は×
      BC−PET発泡シート
        220℃の耐熱性があり、電子レンジを初めオーブンにも対応出来る素材
        耐油性・耐薬品性も○                  
      CPLA発泡シート(ポリ乳酸発泡シート:植物由来原料成型用発泡シート)
        微生物により分解される。
        耐熱性に優れ、常温より50℃程度まで使用できる。また、特殊処理により100℃の耐熱性も可能。
        高い剛性及び優れた軽量性。
     化学的発泡
      DPS
      EPP/PS混合
      FPP

   ソリッドシート
      @PS系 
        ・HI−PSシート(耐衝撃性ポリスチレン)
         衝撃性・成型性にすぐれている。耐熱温度 90℃
         電子レンジや高温の使用は避ける。
        ・透明PSシート
         透明性がよく、光沢感がある素材
        ・蒸着シート
         アルミ蒸着PET・アルミ箔に各種のクロス及びフィルムを組合せ、
         強度・機密性を持たせた防湿・防錆用包装材
        ・PSバリアシート
        ・汎用PPシート
      APP系 
        ・PPフィラーシート
          PPにタルクを配合することで耐熱性・耐油性に優れる。 耐熱温度 130℃
          電子レンジや高温で使えるが、オーブンによる調理は×
        ・PPバリアシート
        ・PP透明シート
      BPET系 
        ・A−PETシート(非結晶性ポリスチレンテレフタレート)
         透明性、安定剤や可塑剤などの添加剤を含まないことによる安全性、低温耐衝撃性などの特長。
        ・C−PETシート
         レンジ加熱に対応できるプラスチックフィルム・シート
         炭酸カルシウムやポリオレフィンを配合したPETで、電子レンジ用のオーブナブルトレイ。
         容器は220℃の耐熱性
      CPVC系 
        ・PVCシート
      DPLA系
        ・PLAシート
   延伸シート
      @OPS(二軸延伸ポリスチレン)
        ばりばり割れる者でも引っ張って、ガラスのような透明感がある。

 4.トレー全体像
    ラップ包装トレー  
      PSPトレー
      透明トレー
    蓋付き容器
      寿司容器・弁当容器・総菜容器・サラダ容器
    ヒンジタイプ
      PSP蓋付き容器・フードパック       
 5.容器包装リサイクル法(平成7年6月施行)
  @容器や包装を使って中身を販売した   容器利用事業所←容器製造事業者  
         ↓                   包装利用事業所
         ↓                        排出量に応じて委託料の支払い
  A家庭ゴミの分別排出

                              日本容器包装リサイクル協会(指定法人)
                    取引契約     ↑  実施料支払い
  B回収・保管    ←ーーーーーーーーーーーー                 
                                
    (市町村)  
             ーーーーーーーーーー→   再商品化事業者
                                  再商品化
  
 6.改正容器包装リサイクル法(平成18年6月施行)
  @容器包装廃棄物の排出抑制の促進
    レジ袋対策等
  A質の高い分別収集・再商品化の推進
    事業者が市町村に資金を捻出する仕組みの創設
  B事業者間の公平性の確保
    再商品化を果たさない事業者に対する罰則の強化
  C容器包装廃棄物の円滑な再商品化
    円滑な再商品化に向けた国の方針を明確化
  LCA(ライフサイクルアセスメント)
   工業製品の製造・使用・廃棄に係わるすべての工程での資源の消費・排出物量を計量し、
   環境への影響を評価する方法
 7.リサイクル性について
  プラスチック製品のリサイクル性に付いては、多種多様な素材があり、見分けにくいため判断が難しい。
  基本的に、
  マテリアルリサイクル(使用済みのプラスチックを溶かすなどして、もう一度プラスチック製品に再生利用する方法)
  しかし、キレイで単一素材で見分けやすいもの以外は、材料リサイクルには、向かない。
  それ以外の物には、
  ケミカルリサイクル(プラスチックが炭素と水素からできていることを利用し、熱や圧力を加えて、
               元の石油や基礎化学原料に戻してから、再生利用する方法)や
  サーマルリサイクル(プラスチックは燃やすと高い熱を出すため廃棄物から熱エネルギーを回収する方法)
  の方がむしろ環境付加は少ない。

 8.プラスチック材質表示識別マーク(おまけ)
     資源有効利用促進法に基づき、1993年6月より(清涼飲料・しょうゆ・酒類)の
           PET材質のボトルに表示が義務付け。

   1〜7の数字は材質、アルファベットは材質の略語
   下の2〜7の材質のものは任意表示で法的表示義務はない。
  
  
  1・ポリエチレンテレフタレート(PET)   2・高密度ポリエチレン(HDPE)   3・塩化ビニル樹脂(PVC) 
   4・低密度ポリエチレン(LDPE)      5・ポリプロピレン(PP)        6・ポリスチレン(PS)     7・その他  



 Q&A
 @PETのリサイクルについて
   リサイクルは○ 
   リユースは、衛生的に担保出来ないので×
 Aトレーの菌数は、少ない?
   ONE WAYが良い
 Bゴミは仕組みで解決

 V。連絡事項<大阪府計量検定所>