漢方薬と漢方および中医学

「漢方」とは、6世紀頃(飛鳥時代頃)中国から朝鮮半島経由で日本に伝来し、
     その後、日本流にアレンジしながら現代まで伝承されている伝統医学です。
「漢方薬」とは生薬を数種類組合せたもので、「漢方方剤」あるいはただ「方剤」ともいいます。
     民間薬(1〜2種類の薬草)やハーブとは異なり、漢方的診断である「証」をとらえて、
     その証に基づき使用されます。
     漢方薬の基本的な考え方は、人がもっている 病気を治す力を高めることです。

「中医学」は、症状から病気の診断と治療を行います。自覚症状や体に現れた変化、舌・脈の
      状態などを総合して方剤を選びます。
  西洋医学によって多くの病気が克服される一方で、成人病や慢性病のように、複数の原因よる
  治療の難しい病気が増えています。このような状況の中で西洋医学とは異なる角度から
  病気を治療することのできる中医学が注目されています。

これらはみんな、誰もが、もともと持っている、病気と闘い、治す力(自然治癒力)を高め、
からだを整えることを基本にしています

 漢方薬は、成人病・ストレス病・アレルギー病に、すぐれた効果を発揮します。
 また、エイズやアルツハイマー病(老人痴呆症)などの難病への応用が始まっています。


漢方生薬の3つのタイプ
西洋医学では、科学的な考えから、「確実で強力な作用を持つ薬が良い薬」と、されていますが
「漢方」では、「薬」に対する考え方が異なります。

上薬 
  西洋薬の様な特効薬的効果は、ないが体質を強化する効果があり、副作用が全くない
  理想的な生薬

  <生薬名>      <主成分>
  大棗(タイソウ)    サポニン・ペクチン
  人参(ニンジン)    サポニン・アミノ酸。・ペプタイド・、ビタミンB群
  甘草(カンゾウ)    グリチルリチン
  地黄(ジオウ)     カタルポール・オークピン
  五味子(ゴミシ)    精油成分・有機酸・シツァンドレン
  車前子(シャゼンシ) 粘液性多糖類:plantasan, plantago-mucilage A

中薬   
  大量に服用すれば、副作用が表れるが、普通、穏やかな作用で「精」を養い、
  新陳代謝を盛んにする。


  <生薬名>      <主成分>
  当帰(トウキ)      精油成分・脂肪酸・クマリン誘導体・vitamin B12
  柴胡(サイコ)      サポニン・脂肪酸
  葛根(カッコン)     イソフラボン誘導体及びサポゲニン
  麻黄(マオウ)     エフドリン・タンニン
  芍薬(シャクヤク)   ペニオフロリン・ペオノール
  防已(ボウイ)     アルカロイド

下藥
  病期を治す力は強いが、しばしば副作用を伴う。西洋藥によく似たタイプ

   <生薬名>      <主成分>
  大黄(ダイオウ)    センノサイド・エモジン・レイン・ラタンニン (下剤作用)
  黄柏(オウバク)    アルカロイド                  (止寫藥)
  附子(ブシ)       アコニチン・ハイゲナミン          (強心作用)
  半夏(ハンゲ)     エフェドリン・アラビナン            (鎮痛・鎮静作用)
  桔梗(キキョウ)    プラチコジン・イヌリン・キキョウサポニン  (鎮痛・鎮静作用)
  夏枯草(カゴソウ)   トリテルペノイド・ウルソール酸(弱い強心利尿作用)