平成24年 夏期講習会
日時 平成24年8月17日 PM1:00〜3:30
場所 万葉ホール

 女性のライフサイクルと更年期障害
  〜幸せな人生を歩むためのコツ〜  
   奈良県立医科大学 産婦人科教室 教授 小林浩氏
  

T.ライフスタイルの変化
   強くなったのは女性と靴下と云われるが、人生87年。しかし、健康に過ごせる寿命が大切。
   戦前の女性は、16歳で初経を迎え、妊娠・出産し、授乳期間が終われば、また、妊娠・出産・授乳を
   繰り返し、閉経になるかならないでなくなり、人生五十数年。
   現代女性は、初経が12歳と早く、結婚と出産が遅くなり、出産回数が減少し、授乳期間が減り、
   さらに更年期以降の人生が劇的に長くなり、女性が子供を産まなくなった。
   女性が生涯経験する月経は、40〜50回だったと考えられるが、現代は、350〜400回にもなる。
   生理周期毎にホルモンの大波にさらされ続けることにより、子宮内膜症、子宮筋腫、乳がん、卵巣がん
   子宮体がん等が増加している。
  1.子宮内膜症

 ・本来は子宮の内部にある内膜が
  外部で増殖するもので、
  生理の時に、腹痛、腰痛をもたらす。
 
 ・症状が軽減している時は、
  軽い腰痛があるため、鍼灸マッサージに
  通っている患者が多い??
  
 ・また、子宮内膜症は、不妊症の原因にもる。

 子宮内膜症の治療には、大きく分けると
  1.手術療法(開腹手術、腹腔鏡手術)
  2.薬物療法(擬妊娠療法、擬閉経療法)
  がある。
 









   2.乳がん
    ・少子化や授乳期間の短縮で卵巣が活動し、
     卵巣ホルモンが分泌される期間が長くなって
     きている。
    ・毎月、月経の直後、定期的に自分で気に
     しながら乳房を触っているば、感覚(1cm以上
     の場合)で発見出来る出来る。




 ←発生部位と発生率


 触る胸と反対側の手を使います。
 親指を除く指を軽くそろえ、それらの指先の腹側のみで軽く圧迫しながら、
 脇から乳房の方に移動する。




   →
   40才が
   ピーク











 検査方法(マンモグラフィー)
 放射線量を少なくすために、乳房を引っ張り、挟み込む。
 乳がんの初期症状である微細な石灰化などを検出できるため、
 早期発見に有効。
 また、乳がんの検診では最も信頼性が高い。


 3.子宮頸がん   
  ヒトパピローマウイルス(HPV) というウイルスは、
  皮膚や粘膜に感染する人にイボを作ることで知られたウイルスで、
  100種類以上のタイプがある。
  このうちの約15種類は子宮頸がん(しきゅうけいがん)の原因で、
  HPVのタイプを調べることで異形成がガンに進行する危険率を
  予測できる。





 





   4.子宮体がん
   



  
   胎児を育てる子宮の内側にある子宮内膜から発生する。
   そのため、子宮体がんは、
   普通の子宮頸がんの細胞診テストではわからない。

    ・ホルモン環境が主たる因子
    ・未婚、未妊やホルモン剤(タモキシフェン)服用が
     考えられる。











 U.アンチエージング(抗加齢)




  いつまでも美しく健康で!!
  あなたの寿命を100才まで延ばすためのアドバイス

 ・総コレステロール値200以下では、心臓病を予防
 ・エアロビクス運動
 ・40歳を過ぎたら心電図検査
 ・定期検査を受けてガンを早期発見
 ・体重増加に注意して、ストレスの少ない生活
 ・抗酸化剤、葉酸、ビタミンを摂取
 ・成功する秘訣は病気の予防と早期発見
 ・これで100歳過ぎまで長生きできるチャンスがある。

  加齢によるヒアルロン酸の減少
  私たちの肌は、年齢を増す毎に保水量が衰え、肌の潤いが失われていきます。
  ヒアルロン酸が減ると、コラーゲンも変質し、エスラチンが減少して、皮膚の張りや弾力を
  失うしわの原因となる。

V.更年期障害
  更年期とは、閉経前後の2〜3年のことで、卵巣の働きが落ち、ホルモンバランスが崩れ、
  自立神経失調症を起こしやすくなる時期で、症状は、頭痛、肩こり、めまい、動悸、冷え、のぼせ等、
  個人差があります。女性ホルモンのバランスが落ち着けば、症状が消える。
 ←
 世界の医学

 日本に於いては西洋医学が主だが
 代替医療として、
 中国医学(中医学)
 ホメオパシ
 チベット医学
 カイロプラクチック
 アーユルヴェーダ
 土着薬草医学

        日本漢方も中国医学から派生したもので

 日本漢方で考えてみると、更年期障害は、・・・・
 まず証(実証か虚証)をチェック
 
 □どちらかといえば筋肉質 □寝付きが悪い
 □活動的、積極的である  □胃は強い方である
 □便秘ぎみである      □声は大きい方
 □皮膚はつやつやしている □顔に吹き出物が出来やすい
 □食べるのは人より早い

 ・当てはまるものが6個以上 <実証>
   体力が充実して、生理機能が亢進した状態です
 ・半分くらい・・・という人     <中庸>
   バランスのとれた状態なのですが、自分で不快な症状があるなら、健康とはいえません
 ・当てはまるものが4個以下 <虚証>
   体力が低下して、生理機能が衰えた状態です
 
           更年期障害
実証 虚証
*冷えのぼせがある
*皮膚が黒っぽい
*がっちりしている
*肩がこる
*典型的な更年期障害
*痩せ型である
*自律神経失調症
桂枝茯苓丸
(ケイシブクリョウガン)
淤血を改善し、症状を緩和
加味逍遥散
(カミショウヨウサン)
更年期障害の様々な症状に効果がある
           (注) 中医学とは異なります。