平成26年 新年講習会

 日時 平成26年1月7日 PM2:00〜4:30
 場所 万葉ホール

「予防と早期発見が大事です消化管のガン」    奈良県立奈良病院  副院長 菊池英亮

ガンになる人は,年々増えており、なかでも消化管ガンの割合が多い。

 特に男性の胃がんの増加率が著しい。
 肝臓ガンは、インターフェロン等の進歩に
 より、肝臓ガンに罹る割合が減った。
 

 ガンは、
  環境因子:
         食生活・飲酒・喫煙・生活環境
         放射線・発がん物質
         細菌・ウイルス感染
  体質的因子:
         遺伝子異常・遺伝的多型
 による。





 発がんの過程

  正常細胞
    ↓
  イニシエーション
   (DNAに損傷をきたし遺伝子異変を起こす)
  プロモーション
    ↓
  プログレッション
   (細胞分裂により数が増える)
    ↓
  早期ガン
   (でこぼこした小石のような塊になる)
    ↓
  進行ガン
   (さらに大きな塊になり、転移する)



  胃・大腸・食道を合わせた消化管での
  ガン死亡率は、ダントツの一位である。

  ←
  ステージによる5年生存率
 T期の発見であれば、ほとんど問題ないが
 W期に気づいた場合、生存率は良くない。


 






 Q.1
  胃腸の調子は快調。痛みも無いのに、消化管ガンになるの?
  (A)
  早期ガンに特有の症状はありません。
 Q2.
.  消化管ガンは、血液検査(腫瘍マーカー)でわからないのか?
  (A)
  血液の腫瘍マーカー検査だけで、早期ガンを診断することはできない。
 Q3.
  消化管ガンは、超音波検査やCTではわからないの?
  (A)
  早期ガンを見つけるのは困難です。

以上より、おなかの症状がなくても40歳になれば、↓検診
 胃がん検診(胃間接レントゲン、内視鏡検査)、大腸ガン検査(便潜血試験)の受診が命の延命となる。

 内視鏡検査


 最初の胃カメラは日本で誕生した。
    (オリンパス)
 ・危険がない
 ・患者に負担をかけない
 ・鮮明な画像で診断出来る
 ・腸内の内壁をすべて短期間に観察できる

 また、
  標準治療は、病変の切除
 早期ガンの見極めは?
 ・リンパ節移転の可能性がほとんど無いこと
 ・病変を一括切除出来ること




 粘膜層から粘膜下層へ
 さらに固有筋層へ進むと、ガン組織が分散し、進行ガンとなる。























                     さて、質問 早期ガンは、どれでしょう?


 最近は、内視鏡が進歩して、超音波を備えた内視鏡が出来て、平行して、
 ガンの深さまで観察することにより、益々、精度が上がった。
 
   
  ←
  ガンの部位・大きさを確認しながら
  剥離手術が出来る様になった。

 胃カメラが苦手の人は、
 経鼻内視鏡があるが???
 下記の欠点がある。
 ・水や空気の出し入れに時間がかかる
 ・治療が出来ない
 ・鼻の穴の狭い人は通らない場合がある
 ・鼻血が出ることがある
 ・画質が経口内視鏡より劣る
 
 






 がんを防ぐための新12か条
  (がん研究振興財団)

  1条  たばこは吸わない
  2条  他人のたばこの煙をできるだけ避ける
  3条  お酒はほどほどに
  4条  バランスのとれた食生活を
  5条  塩辛い食品は控えめに
  6条  野菜や果物は豊富に
  7条  適度に運動
  8条  適切な体重維持
  9条  ウイルスや細菌の感染予防と治療
 10条  定期的ながん検診を
 11条  身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
 12条  正しいがん情報でがんを知ることから