平成27年 新年講習会

 日時 平成27年1月6日 PM2:00〜4:30
 場所 万葉ホール

「高齢者にみられる皮膚疾患」    奈良県立医科大学 皮膚科学教室 浅田 秀夫氏

高齢化社会を迎え、既に65歳以上の方が総人口の2割以上に達し、
高齢者の皮膚のトラブルは、「年のせいだから仕方がない」として片付けられがちだが、病変を早くとらえ、適切に治療すれば、苦痛を取り除いて日常生活を快適に過ごせる。
疾患に関しては、30歳を過ぎれば、皮膚の老化が始まり、60歳では、ほとんどの人が老人性・皮膚の変化を持ちうる。


1.痒い皮膚病
  @ドライスキン(乾皮症)
     


 皮膚の脂が減ることにより、皮膚の水分が
 減少して「かさかさ」になった状態
 冬場に罹りやすく、皮疹はなくても、
 痒みは、強い。













  ドライスキンになると、微生物やアレルゲンが
  皮膚のバリヤーの壊れたところから
  侵入しやすくなる。


















  さらに、痒みを伝える神経の末端が皮膚
  の表面まで伸びてくるため、
  軽い刺激でも痒みを強く感じるようになる。









   →老人性皮膚そう痒症
     乾皮症が、掻くことにより湿疹化したもの


      →皮脂欠乏症皮膚炎
   A真菌症(みずむし)
   B疥癬(かいせん)
   C全身疾患(糖尿病、肝疾患、腎疾患)
  
 2.痛い皮膚病
   帯状疱疹(帯状ヘルペス)
    神経痛様の痛みに続いて、
    水ぶくれを伴う紅いぶつぶつが帯状に出る

 3.皮膚腫瘍
   @脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」
   A基底細胞がん
   B日光角化症
   C乳房外バジェット病
   D悪性黒色腫
                                       
 4.床ずれ
   体の一部が長時間、圧迫されて、決行が遮断され皮膚が壊死する状態