アミガサユリ

 

中国原産の多年草。地下部の鱗茎を薬用に、また鑑賞用に栽植される。茎は直立して30〜80cm、葉は長さ10cm位で、葉の上部の葉は先が鍵形に曲がる。花は3〜4月頃、上部の葉の付け根に約3cmの鐘形で淡黄緑色の花を下向きにつける。この花の内側には紫色で網状の模様がみられるので、アミガサユリ(編笠百合)の名が付けられた。また、地下の鱗茎は2個の白い鱗片の一方が他方を抱くように重なり合っている。これが貝に似ているため、貝母と名づけられている。花後、夏には茎葉とも枯れる。
【 学 名 】
Fritillaria verticillata Willdenow thunbergii (Miq.)Baker.
【 科 名 】
ユリ科(Liliaceae)
【生薬名】
貝母(バイモ):FRITILLARIAE BULBUS


 アミガサユリの鱗茎の外皮を除いた後、石灰をまぶして乾燥したもの。各鱗片は白〜淡黄色で粉質、やや苦い。

【使用部位 】
鱗茎
【 薬 効】
鎮咳、去痰、排膿、催乳薬として感冒、気管支炎、肺炎などに用いられる。
【 成 分 】
アルカロイド(フリチリン:fritilline、ベルチチン:verticine等)
【漢方処方剤 】
貝母湯、滋陰至宝湯、当帰貝母苦参丸料、桔梗白散など
【採取時期 】
5〜6月頃
【調製法 】
鱗茎を剥がして水洗いしながら外側のコルク皮を捨てて、日干しまたは石灰を塗して乾燥する。
【 産 地 】