最先端農業を学ぶセミナー

日時 :令和5年3月10日(金)
主催 :公益財団法人 農業振興会館

Ⅰ.開会の挨拶                           副理事長 福井常夫

Ⅱ.「アシストスーツについて 」                  アシストスーツ協会  事務局長 近藤尚也

 1.どのようなものか知る
  ①アシストスーツは、パワーアシストスーツ等とも呼ばれることがある。
   人に装着し作動補助を行う製品の総称
   ・従来は、高齢者や障害者の「歩行支援」を行うために開発された製品が多かった
   ・高齢者や人出不足という市場環境から、
    「作業改善」型のアシストスーツの製品開発が進み、2018年以降、多くの製品が市場に投入されている

  ②効果
   ・作業負担の軽減
     作業後の心拍数・筋活動量が軽減
   ・安定的な作業継続
     均一的な成果が長時間継続(装着しない場合、長時間作業すると疲れが溜まるが)
   ・生産性の継続
     単位時間当たりの作業量が増加(ミスが少なくなる)
    
    これまで何とか続けてきた作業
      ・疲労による不安全因子
      ・作業品質の悪さ
       ↓ ↓ ↓
    作業者に<余裕>が生まれ事で
      ・労働災害予防
      ・作業品質アップと作業改善へ
      ・職場の魅力度もアップ
   ③アシストスーツの類型
     ・パッシブ型アシストスーツ
      電気を使用しないので充電不要・軽量・故障しにくい・機能が単調
     ・アクティブ型アシストスーツ
      電気制御で細やかな動作が可能
      水濡れ等で故障し易い・充電必要・高価

   ④パワーが出るか? あくまでアシスト
     短い時間なら誰でも出来るが、長時間継続すると体に負担が来る作業が対象
     体に装着して大丈夫な範囲で、人間の力を超えない
   ⑤パワーが出ないと意味がないか?
     ・安全性の問題 
       パワーが切れると大事故に
     ・身体の影響
       一点に力を掛ければ他に影響懸念あり
   ⑥作業は、機械化・自動化すれば良いのでは?
     ・重筋作業         = 機械化・自動化
     ・繊細な作業を継続的に = アシストスーツ

    ⑦筋力が弱らないかを心配?
     ・そのような側面があるが、無理な作業(負荷荷重 )が鍵盤断裂の疾病につながる
     ・無理な作業は姿勢を崩し、体に大きな影響を及ぼす
     筋力の維持向上も重要だが、負荷を避けることも労働災害予防にとって重要

 2.どのような手順や考え方で導入を進めれば良いか
   ①1st Step 対象作業の分析
     ・改善すべき負荷は、どの部分?
     ・制約条件は、ないか?    (狭いところに入る等)
     ・アシストスーツの使用が他の作業に影響しないか?(安全面や効果面)
     建設業、介護、・・・・等々、個別作業がどのようか?

   ②2st Step 多用なアシストスーツの特性理解
     ・1つのアシストスーツが負担軽減できる作業は限定的的である
       →合致したアシストスーツの選定が必要
     ・アシストスーツの特性に合わせた動作や作業見直しが要る
    (例)建設業・天井板施工
       ボードを運ぶ  →   ボードを切る   →  ビス打ち
     繰り返す作業では、効果を得にくいので、ビス打ち作業をまとめて行う

   ③3st Step 作業者の理解
     ・瞬発力を上げるもので無く、長時間継続的に行う作業軽減を目的とした商品
     ・若いうちから「ツールを活用する事が、長く健康に仕事を続けて行くことに繋がる」と言う前向きな理解
      →効率化し、疲労感も減らすことが出来れば、そこで生まれた余裕で、
       より付加価値の高いものを作る時間をとれる
       長く家族を支えるために生涯現役として、今から準備をしておきたい
 3.腕のアシスト

  ・ぶどう・梨

   ・選定作業

  ・腰のアシスト事例  施設園芸
    多くの腰のアシストスーツは、後から支えるタイプ
    →脊髄を損傷しているため使えない
      レイボエクソスケルトンは、前から支えるタイプで、無理なく使用できる
      そのまま農機に乗車出来る
      狭い場所に入る際に邪魔にならない
                           
Ⅲ.「スマート農業の実現に向けた取り組みの現状」     株式会社 サタケ  推進室・主事 植向直哉
 1.(株)サタケの会社概要
   住所 広島県東広島市西条西本町2-30
   設立 1896年(明治29年)
   製品 食品産業総合機械、プラント設備及び食品の製造販売
   理念 人類の三大主食(米・麦・トウモロコシ)を通じて、世界の食文化の向上に貢献する
   規模 グループ企業26社(従業員 約3,000人)
   拠点 国内:販売拠点 16カ所、生産拠点 3カ所
       海外:事業所 16カ所(11カ国)、生産拠点 6カ所


  2.収量・品質向上に向けた提案
    ~スマートRCシステムの活用~
   ①収量・品質を向上させるには
      地力(土壌管理)                   収量(出荷玄米量)
      肥料(施肥管理)               →  
      水(灌水管理)                    品質(等級検査・機械鑑定結果)
      天候(お天道様の言うとおり?)
   ・課題1  出荷玄米でなく、粗玄米としての評価が出来てない
          今年は、良かった?

    ・課題2  管理圃場が増えると圃場ごとに評価する事は、困難

   ②提案
     ・粗玄米の評価が乾燥ロット毎に自動でできる
     ・気象の情報を参照出来る
   ③自動給水器(ポセイデン)の紹介
     ・農匠自動給水機とは、農家自らが開発した、開水路ほ場の給水を自動化する装置です。
       開水路から圃場への水供給をコントロールする事が可能
       →水管理作業の削減
      問い合わせ先 グレインマシナリー西日本(株)
                広島県東広島市西条西本町25-29  アソカビル 3F 
                電話 082-420-8725
                Email :grain-suimon@grein.jp


   ・自動給水器(ポセイデン)の名称

   ・仕様
    商品名    農匠自動給水機
    形式      NAS-300B
    電源      単2電池8本
    巻上高さ   最大30CM
    作動時間   6ヶ月(昇降1回/日の使用で)
    昇降管     Φ154mm(内径)×325mm(長さ)
    水位センサ  フロー式
    ヒューズ    1A
    寸法      本体︓    300×240×680mm(W×D×H)
         水位センサ :80×60×600mm(W×D×H)
    重量      本体 :7kg  水位センサ :0.5kg

   ・設置イメージ



   ・設置要領

   ・操作方法
    電源投入    電源スイッチが「運転」の状態で自動的に作動
    自動作動    水位センサの「上限フロート」と「下限フロート」を希望水位に設定
               → 自動的に給水と止水を繰り返す
    動作確認   「給水時」及び「止水時」
  ④(株)賀茂プロジェクト
   ・組織概要

   ・組織体制

   ・事業概要
     稲作部門

     果樹部門

     地鶏養鶏部門
   ④ Q&A
     1.色選くずや屑米が10%程あるが、少し多いのではないか?
        回答 ?
     2.乾燥工程で、いろんな田圃の米が混ざってると思うのですが、評価する際、どこの田の米が識別が
       難しいので、どの様にされているのですか?
        回答 圃場が増えると圃場ごとに評価する事は難しくなるが、混合前の圃場は、わかるので、
            粗玄米の評価を見ながら推定する
            
     感想
      収量と味を評価するに、粗玄米から、粒度分布を含めて、生水分量からの乾燥状況もチェックが
       必要ではないか?
      田圃によって、出来高や味が異なるので、我が家では、田圃毎に乾燥している。
      色選くずや屑米の割合は、トータルで、2022年度は、1.4% 2021年度は2.9%
      昨年良かったのは、分けつの時に天気が続き、生育が良かった。(分けつ数をチェックした)
      米の品種により、時期が違うので、注意が必要だ。
      自動給水器は、設置する価値がありそうだが、大雨の時や、用水路の水が無いとき等、
       課題が少なからずある。
      
    
Ⅳ.閉会の挨拶                           常務理事 菅谷義寛