039.かくれんぼ
『もーいいかい?』
『まーだだよ』
『モーイイカイ?』
『もーいーよー!』
子供たちの笑い声が聞こえる。
3人の子供たちが、走り回っている。
うち、一人は赤い拳法着。
・・・あれは、ぼく・・・?
ナナミも、ジョウイもいる。
幸せだった頃の思い出。
『もうっ!! どうしてジョウイったらすぐ見つけちゃうの!?』
『ナナミが隠れるのが下手なだけじゃないか』
『くやしー! リオウ!! 次は絶対見つからない所に隠れようね!!』
『・・・同じ場所に隠れたら意味が・・・』
『おねーちゃんにまかせて! ジョウイ!! 見てなさいよ〜』
『・・・その前にナナミ。きみが鬼だよ。』
『わかってるわよ! すぐ見つけてやるんだから〜!!』
―キャハハハハ・・・・・・
幸せだった頃の記憶。
・・・残像・・・
ナナミはもいない・・・。
ジョウイさえも、敵として戦わなければならない・・・。
なぜ・・・?
ナナミ・・・?
ジョウイ・・・?
いい加減にこの悪夢が醒めればいいのに・・・。
『リオーウ!!』
(・・・ナナミ・・・?)
小さな女の子が、ぼくに向いて叫ぶ。
『リオウ! 何ぼんやしてるんだよ。置いてくよー!』
(・・・ジョウイ!!)
金色の髪の、青い服の男の子が物陰からぼくを呼ぶ。
・・・二人が呼んでる・・・
「行かないと・・・」
『かくれんぼ! 次はリオウが鬼だからね〜!』
ナナミが笑う。
『ナナミよりは、リオウの方が手ごわいからな。今回はちゃんと隠れないと・・・』
『なによもー!』
影とともに、声が遠ざかる・・・。
「まって!!」
『はーやーくー』
声が・・・消える・・・
聞こえなくなる・・・
「まって! おいていかないでー!!!!!」
夢なら、醒めて・・・。
『リオウ、きみが鬼だね』
ジョウイの声が聞こえた。
『早く捜してね』
ナナミの声も。
『『はやく、ねー!!』』
キャハハハハハ・・・。
再び、声が消える。
取り残された。
再び、闇の中に独り・・・。
「ナナミ・・・ジョウイ・・・ど・・・こ・・・?」
【END】
ナナミが死んだ直後くらい・・・。
主人公ちょっと壊れかけています。
・・・コメントが・・・
今回はこのくらいで・・・
すいません・・・。
(04.09.12)
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