聞いていたい音　奏でたい音

どうしてこんなふうに思うのだろう。

彼女の演奏は未熟な上に、解釈もなっていないと思う。

それでも・・・・・・

それでも、どこか、心に染み入る・・・・・・。

いつまでも聞いていたい。

以前は、音楽に対する彼女未熟さに対して、苛立ちを覚えていた。

それが、いつの間にか変わってしまった。

彼女は、本当に楽しそうにヴァイオリンを奏でる。

見ていて、明るい気持ちになれる。

頑なに、周りを拒んでいた俺に、

世界の広さを教えてくれるような気がした。

では、彼女にとって、俺の音楽はどういう存在なのだろうか。

彼女の音のように、いつも聞いていたいと思える音楽を、

俺は奏でることができているのだろうか。

彼女に尋ねてみたい。

彼女はどう答えるだろう。

でも今は・・・・・・。

ただ、彼女に俺の音楽を聴いてもらいたい。

答えはまだ先でいい。

今はただ、奏でよう。

この気持ちを・・・・・・。

俺自身の音に載せて・・・・・・。

［END］

月森君の最終セレクション前の恋愛イベント?を見て思いついた文章です。
ちょっと詩っぽくしてみました。
下手なのに聞いていたいと思わせる曲。これはなかなか難しいと思います。
管理人はピアノを習ったことがあるのですが、下手な曲はあまり聞きたいとは思えなかったです。
やっぱり、恋の欲目なのかしら・・・？



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