月森 連 第一セレクション
☆出会い
な、何か用か? ああ・・・いや、別に、なんでもないんだ。・・・すまないが、気にしないでくれ。それとも・・・俺が何かおかしなことをしていたとでも言いたいのか?
「質問の理由を聞く」
別に、理由なんてない。君が俺に話しかけてきたからそう思っただけだ。悪いが、用がないなら話しかけないでくれないか。失礼する。
「普通にしていた」
そうか。ならいいんだ。へんなことを聞いてすまなかった。
「変だった」
気のせいだ。そう見えるなら、君の目がどうかしている。悪いが、用がないなら話しかけないでくれないか。
失礼する。
[分析力がある」→[理想に向かって努力する」を選択した場合。
・・・・・・・・・・・・。・・・松脂の粉がついている。袖口。その白い粉、松脂だろう。なぜそんなところにつくんだ。・・・わからないか? 楽器を傷めたくなければ、払ったほうがいい。
「礼を言う」
礼を言ってほしいわけじゃないから。誰のヴァイオリンか知らないが、扱いを知らないなら預からないほうがいい。素人にヴァイオリンを預けるとは持ち主も不注意だな。
「詳しい説明を聞く」
なぜ理由を聞くんだ。当たり前のことだろう。…ああ、すまない。普通科の生徒なら、知らなくても仕方ないか。松脂は空気の湿気を吸って、ヴァイオリンを傷める原因になる。ほこりもよくない。ヴァイオリンは持ち主が守らなくてはだめだ。
・・・君のヴァイオリンなのか? 普通科の君が、なぜヴァイオリンを・・・・・・そうか、普通科からの参加者とは君のことか。俺は、月森 連。音楽科2年、ヴァイオリン専攻。コンクールに出るヴァイオリンは、俺と君の2人だ。ヴァイオリンの扱いを知らない素人が出るとは、聞いていなかった。正直、いい気分じゃない。ヴァイオリンを傷めないよう、注意してくれ。
